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January 15, 2011

K-5 白とび対策

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PENTAX K-5 / FA50mm

以前のこのプログで報告した、K-5の白飛びが出やすい露出傾向についてですが、その後、「価格.com」の掲示板でも話題になっていました。
そして「測光の傾向につきまして。」というスレッド(http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000152651/SortID=12258664/)
の中で、ベストショットHKさんという方が、
「K-5のカスタムメニューの中にある『測距点と露出の関連付』をオンにする」
という方法を、対策として挙げていました。
筆者もやってみたところ、見事に問題が解消できましたので、当ブログでも紹介したいと思います。
筆者と同様に、K-5で白飛び写真が多くて困っているという人がいましたら、参考にしてみてください。

まず上の写真は、K-5で、晴天下、黒いバッグの上に置いた、白っぽい表紙の本を撮影したものです。
これはたとえば、「暗い背景の前に黒っぽい服を着て立っている人の顔」といった被写体を写した場合を想定しています。
使用したレンズはFA50mm。
絞り優先(Av)モードで絞りはF8、ISO100、分割測光。測距点は中央1点固定で、フォーカスは本の真ん中に合わせています。その他の設定はカメラのデフォルト(初期設定)のままです。
なおデフォルトでは「測距点と露出の関連付」はオフになっています。
シャッター速度は1/100秒となっており、ご覧いただくとわかるように、表紙は大きく白飛びし、クリーム色で描かれた人物イラストが全く読み取れません。

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PENTAX K-5 / FA50mm

2枚目はデフォルトの状態から、「D-Range設定」の「ハイライト補正」をオンにしたもの。感度はISO160となっています。
シャッター速度は1/125。
補正も空しく、白飛びでイラストは見えません。

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CANON KISS-D3X / EF-S18-55mm

3枚目は比較のために、CANON EOS Kiss X3で、同じ被写体を写したもの。
絞り優先(Av)モードで絞りはF8、ISO100、評価測光。附属のキットレンズ EF-S18-55mmの55mm近辺を使用しています。
シャッター速度は1/320。
まだ明るすぎですが、デフォルト状態のK-5よりは「はるかにまし」で、イラストや文字にしても十分読み取れる状態です。
測距点はオートにしていますが、本の表紙に合っており、数枚撮っても露出は安定していました。

前述の価格.comのスレッドの作例を見てわかったのですが、デフォルトの設定におけるK5の分割測光の露出制御の動作は、キヤノンのEOS KISSシリーズやソニーのαシリーズなど、一般のデジタル一眼レフカメラとは大きく異なるもののようです。

上の比較写真で用いたKISS-X3の評価測光は、「撮影シーンに応じてカメラが露出を自動補正します」という、現在、最も一般的な測光方式です。
このような自動補正を行う測光方式では、中央近くに明るい物体があると、「これがメインの被写体だ」とカメラが判断し、背景を多少暗くしてしまっても、メインの被写体が白飛びしたりしないように露出を決めています。
実際に上の写真を見ても、そのように動作していることが見てとれます。

K-5の分割測光も、取扱説明書を読むと「どの部分にどんな明るさのものがあるのかが自動的に判断され、補正されます」とあり、キヤノンの評価測光に近い位置づけのようです。
けれども実際の動作はキヤノンとは全く違うことが、上の写真を見比べるとはっきりわかります。
筆者の印象では、K-5の分割測光では、自動補正のプログラムがちゃんと働かず、画面全体を同列に扱っているような感じです。
暗い背景の前で人物写真を撮ったりしたとき、顔が白く飛んでしまって、使い物にならない失敗写真になってしまうというケースが頻発しするのは、そのためではないでしょうか。
筆者などはそれで、「なんて白飛びしやすいカメラなんだ。故障じゃないのか」と思ったわけです。

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PENTAX K-5 / FA50mm

ところがデフォルトの状態から、「測距点と露出の関連付」をオンにすると、そうした問題が解消されることがわかりました。
4枚目の写真をごらんください。
他の条件はデフォルトと同じで、「測距点と露出の関連付」だけをオンにして撮影してみたものです。
デフォルトの写真とは全く露出が異なっています。
シャッター速度は1/400。全てのイラスト、文字が読み取れます。
メインの被写体である本に対して、適正露出になっていることがわかります。
どうやら「測距点と露出の関連付」をオンにすることで、通常のカメラと同じように、合焦したメインの被写体を適正露出とするよう、動作が変わるようです。

この比較写真の意味をわかりやすく言い換えると、
「『測距点と露出の関連付』をオンにすることで、人間の顔や白い花といった被写体を暗い背景のもとで撮影したときにも、白飛びさせずに適正露出で写すことができる」
ということです。
筆者の場合は、この関連付をオンにすることで、今までの悩みが解消しました。
K-5で白飛び写真が多くて困っているという方は、ぜひ一度、試してみてほしいと思います。

筆者は、少なくとも人物撮影を主とする人の場合、失敗写真を減らすために、基本的に関連付をオンにしたほうがいいと思いますし、移動する被写体を撮影する場合もオンにすべきでしょう。そうでないと被写体が明るいところから暗いところに移動した場合など、白飛びを防ぐために必死で露出補正を繰り返すはめになります。
逆に風景写真などでは、関連付けがオフの方が安定した露出が得られると思います。
関連付けがオンの場合、フレーム内の風景が同じでも、たまたまフォーカスした位置にあったものが白っぽいか黒っぽいかで、露出が大きく変化してしまうためです。

なお筆者の場合、シャッターボタンを半押しして中央1点で合焦させ、その状態でフォーカスロックを保ったまま、カメラを振って構図をとって、シャッターを切る、という使い方をすることが多いのですが、その場合、メインの被写体の適正露出を保つには、やはりカスタムメニューにある「AFロック時のAE-L」をオンにしておく必要があります。
そうしないと合焦後にフレーミングし直した際に、露出が変化してしまうからです。
これは分割測光ではなく中央重点測光やスポット測光を使う場合も同じです。

それにしても解せないのは、K-5のメーカーであるペンタックスが、なぜデフォルトでこのような、一般のカメラの露出制御とは全く異なる動作をさせているのか、ということです。
出荷した最初の状態では、できるだけ一般的な設定にしておくことが常識と思いますし、百歩譲ってオリジナルな動作をデフォルトとするにしても、せめて、
「このカメラの露出制御は、普通のカメラとは違います。普通のカメラと同じにしたいときには、『測距点と露出の関連付』をオンにしてください」
といった注意書きを添えるべきでしょう。
この点、メーカーに見解を聞いてみたいですね。

それはそれとして、白飛びの悩みが解決してからというもの、筆者のカメラ生活はとても快適になりました。
初期ロットの一部にセンサー汚れが見つかって騒ぎになっているK-5ですが、筆者のカメラにはチェックしてみてもゴミ一つありません。
あれこれ使ってみて、本当にいいカメラだなあと思います。
今のところの最大の問題は、気をつけていないと、またまた高いレンズを買ってしまいそうだ、ということなのでした。


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