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March 26, 2014

親指シフト導入

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RICOH GR

このほど、親指シフトを導入しました。
若い読者はご存じないかもしれませんが、親指シフトというのは、かつて富士通がワープロ用に開発した独自配列のキーボードです。
今の日本では、日本語の入力はローマ字で行うのが普通です。
その昔、筆者がまだ企業勤めのビジネスマンだったころも、やはりローマ字入力で日本語の文章を書いていました。
ビジネス文書をつくっているぶんには、それで別に問題なかったのです。日本語と並行して英語を打つ機会も多かったので、むしろローマ字入力以外は考えられない感じでした。
ところがライターになったら、なぜかローマ字で日本語を打つことに違和感を感じるようになりました。
頭の中では1音で考えているものを2回に分けて打ち込むことで、リズムが狂ってしまうというか。特に小説を書いているときに、発想の展開の足を引っ張られるような感覚があったのです。

 
「違う入力方法がないのかな」
迷った末、筆者は「かな入力」に変えてみることにしました。
かな文字1音を1回の打鍵で入力するには、それしか方法がなかったからです。
かな入力には当時、JISと親指シフトがありました。というか、今も事実上、この2つしかありません。
JISは、日本語用キーボードのキートップに印刷してある、かな文字の通りに打つ方式。かな文字の数は英語のアルファベットより多いので、JIS日本語キーボードでは、英語用キーボードのキーを隅から隅まで使い、それでも足りない分のキーを足してします。
親指シフトは、両親指のホームポジションに独自のシフトキーを置き、シフトキーと文字キーの同時打鍵によって、1つのキーを3通りに使い分け、少ないキー数ですべてのかな文字を入力する方式です。このやり方のおかげで、端の方にあるキーは使わずに済むようになっています。
タイピングコンテストなどでは親指シフトが常勝で、JISより親指シフトの方が入力が速いことは知っていたのですが、問題はシェアが低いこと。
専用キーボードが必要で、開発した富士通1社しか製品を出しておらず、どう見ても消滅しそうだったのです。
いくら性能がよいと言っても、ソニーのベータ方式のビデオを使っていたユーザーみたいな目に遭うのは嫌だし…
ということで、JISのかな入力に転向したのでした。

以後、20年。
ローマ字入力からかな入力に変えて、リズムの違和感こそ無くなりましたが、JIS配列のかな入力の使いにくさといったらありませんでした。
キーボードの一番上、一番横まで使うので、タッチタイピングがうまくできません。結果、キーを見る癖がついてしまい、いつまでたっても入力が速くなりませんでした。
また、数字キーがかな文字に使われてしまうため、10キーなしでは実用にならず、出先で使おうと購入したノートパソコンも、結局使いこなせないで終わることになりました。
「これじゃ、みんながローマ字入力になっちゃうのも、当然だなあ」
と思ったものです。

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RICOH GR

不満を抱えながら、かな入力を続けていた、ある日のこと。
shioさんという、とある大学の先生のブログを拝見していて、先生が親指シフトを使っておられることを知りました(実は、先日紹介した 「ビブラム・ファイブフィンガーズ」も、こちらのブログで知ったものです)。
そこにはなんと、
「JISキーボードでも親指シフトができます」
と書かれているではありませんか。
「え、専用キーボードなしで親指シフトできるの? 本当に?」
驚いた筆者が、先生が張ってくださっていたリンクを辿って知ったのが、「キーリマップソフト」というものの存在です。
キーリマップソフトというのは、その名の通り、キーボードのキーを入れ替えたのと同じ効果を、ソフトウェア的に実現するアプリケーション。WindowsやMacOS上のほとんどのキーの文字や機能を自由自在に入れ替えて、好きなようにカスタマイズできてしまうのです。
「そんなものが世の中にあったのか」
筆者は衝撃を受けました。
shio先生が使われているのはMacOS用のソフトとのことですが、Windows用にもいくつかのキーリマップソフトが、無料で公開されています。
これは、試してみない手はないというもの。

とりあえず導入してみたのは、「ものくろ」さんという方のサイトで紹介されていた、「DvorakJ」というWindows用のキーリマップソフです。開発されたのは、blechmusikさんという方です。
こちらのソフトでは、キー配列はテキストファイルで簡単に指定でき、インストールしてもOSのレジストリが変更されることはありません。このソフトさえ起動させておけば、IMEに関わりなく、自分で設定した通りの配列が維持されます。USBメモリにこのソフトを入れて、日本語入力を始める前にダブルクリックするだけで、ネット喫茶のパソコンでもなんでも、自分専用のキー配列で使えるのです。
「もしそれが本当だったら、すごいことだけど…」
果たしてそんなことが、無料ソフトで可能なのでしょうか?
半信半疑で試してみたところ…
結果は、すばらしい出来!
入力のタイムラグはほとんど感じられず、文字キーだけでなく機能キーも好きなように機能変更できて、使いやすいことこの上ありません。親指シフトだけでなく、このソフト1つだけで、ありとあらゆるキー配列が(シフトキーとコントロールキーだけ、動かせないようですが)実現できてしまいます。
筆者は一発で、「DvorakJ」の虜となり、即時、親指シフト導入を決めました。

始めて間もないので、入力速度はまだまだですが、それにしても、知らないというのは怖いな、と思います。
普通のキーボードで簡単に親指シフトができるということも知らずに、20年も不満を抱えながら、JISかな入力を続けてきたのですから…
ソフトを公開してくださったblechmusikさん、そしてキーリマップソフトで親指シフトができることを教えてくださったshio先生、ものくろさん、本当にありがとうございました。

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